1週間に10日来い
前回、祝日と祝日に挟まれた「国民の休日」について書いていて、
そういえば、法律で指定されてる休日が他にもあったなぁと思い出したのが、
最低でも年間5日は取得する義務のある「有給休暇」でした。
これは、1年に10日以上付与される有給休暇があれば、次の年の有給休暇が
つくまでの間に最低でも5日間は有給休暇をとらないと、労働基準法の違反になって、
労働者1人あたり30万円の罰金になりますよ~というもの。
従業員が自分から5日以上取得してたら問題ないけど、取得していない人へは
企業が指定してでも休暇を取得させないといけないですよってことなんですね。
ふんふん、やっぱり日本人は有給休暇の取得率が低いから、政府がテコ入れしないと
いけないって、お国が動いてくれたのねと考えて、日本以外では、この手の働きがけしてる国とか
あるのかなぁ、と見てみたら・・・ちょっと自分の想像と違ってました。
ヨーロッパの多くの国は、EUの労働時間指令で20日~30日の有給休暇を
「1年で使い切る!」のが原則。
そもそも「ちゃんと休んで心身回復リフレッシュ♪」が法律の目的なので、
ただ権利を与えるだけではなく、強い強制権をもっているそうです。
次年度への繰り越しの概念の制度もないため、企業も労働者も100%消化が
あたりまえ(もちろん買い取りも禁止の国がほとんど)
アジア諸国も強制取得や、未取得へのペナルティを設ける国が増えているようです。
そんな中、やっぱこの国は「わが道」行ってますねぇ
アメリカ合衆国です。
ここはなんつーか、連邦法(国全体の法律)で定めた「法定の有給休暇」というものが
存在しません。
そう、そう、そう、そのため、会社によっては
「有給休暇無制限(Unlimited PTO)!」(ファンファーレの音が聞こえますか~♪)、
他方、一歩間違ったら「有給休暇ゼロ」も全くもって合法ですので、
自分の権利を自分で守る文化はここでも健在ですねぇ。
ちなみに、日本が2019年に「有給休暇の年5日の取得義務」を開始した時、
ヨーロッパ諸国からは、「ええええっ、たたたたったの5日???
そんなの最低限のセーフティネットでしかないじゃん」と、驚かれたそうで。
ただ、ヨーロッパは祝日(休日)の数自体は、日本より気持ち少な目かなぁ
いやぁ、本当に、お国変われば・・・ですねぇ
有給休暇の「義務化」をチャンスに変える、企業のポジティブ財務戦略
有休の取得義務化や未消化時の「1人あたり30万円の罰金」というルールは、
一見すると企業にとって厳しい制約やコストに見えます。
しかし、これを逆手にとり、経営や財務の健全化につなげる前向きな捉え方が
注目されています。
1. 「有給休暇引当金」という簿外負債の圧縮
実は、社員が有給休暇を使わずに溜め込んでいる状態は、会計上「将来、
支払わなければならないコスト(負債)」として扱われることがあります。
特に国際会計基準(IFRS)などでは「有給休暇引当金」として、
バランスシートに計上する必要があり、財務健全性を下げる要因になります。
法律に従って計画的に5日以上を消化させることは、会社の見えない「借金」を
減らすことと同義なのです。
2.退職時の「一括買い取り」によるキャッシュアウト防止
法律上、原則として有給の買い取りは禁止ですが、退職時に消化しきれなかった
分を会社が買い取ることは認められています。
もし有休を全く取らない社員が複数人同時に退職するような事態になると、
企業は予期せぬタイミングで多額の現金(キャッシュ)を支払うことになり、
資金繰りを圧迫します。
日頃の休暇取得の徹底は、突発的な資金流出を防ぐ防衛策になります。
3.「属人化」の解消による最大の事業リスクヘッジ
「特定の人が休むと現場が回らない」という状態は、企業にとって最大の
金融リスクです。
企業が自ら「この日に有休を指定する」というプロセスを経験することで、
業務のマニュアル化や共有が進み、誰が休んでも事業が止まらない、
タフな組織が作られます。
これは最も低コストでできる「事業継続計画(BCP)」への投資と言えます。

