色眼鏡は何を守る
世の中にはいろいろな「世界標準」があるそうですね。
例えば、交通信号機の色は原則として「緑・黄・赤」、
船舶・航空機の進行方向は「右側通行」、乾電池、ボルト・ナット、
コンセント・プラグなどの規格、紙のサイズ、フィルム感度、
USBケーブルなどのインタフェース、などなど。
人も経済も動物も細菌もウィルスまで、何とかすれば世界のどこにでも
行ける(行ってしまう)このご時世、決めておいたほうが良いことも多いようです。
ただ、全てを世界標準にできません。
20数年前に流行した「世界がもし100人の村だったら」という書籍は、
地球を一つの村にたとえて人種、経済、政治、宗教、環境などを比率化させたものでした。
例えば100人の村には、アジア人57人、ヨーロッパ人21人、南北アメリカ人14人、
アフリカ人8人がいます。
80人の居住環境は平均以下、70人は文字が読めず、50人が栄養失調・・・と
いうような感じです。(※20数年前のデータです)
もともとはアメリカの環境科学のメドウズ教授の小文で100人ではなく
1,000人だったそうです。
世界に広まっていく内に100人にデフォルメされて時間軸がなくなり、
内容やニュアンスも伝えたい人の恣意的なものに変わってしまったみたいなので、
教授は世界的な広がりと、伝わりかたの変化をどんな風に感じたんでしょうね。
面白いのは、もともと環境科学の教授の小文だったのに、日本語訳では
環境問題に関する記載はなくなっちゃったそうですよ。