鉄の玉座は地に足つけて
古今東西、玉座に座る高貴な方々の交代の際に悲喜劇が繰り広げられるのは
珍しいことではありません。
放送当時、エミー賞を総なめにしたアメリカのドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」が、
薔薇戦争をはじめ様々な史実にインスパイアされて作られているといわれるのも
そのせいだと思います。
(いやぁ、しかし、何回観ても面白いし恐ろしいしやっぱり面白いッス)
英国王室史上で最長在位となった、先代の英国女王エリザベス2世のお父さんは
映画「英国王のスピーチ」のジョージ6世ですが、そもそも王位はジョージ6世の
お兄さんのエドワード8世が継いでいたんですよね。
未婚で王位についたお兄さんのエドワード8世が、離婚歴のあるアメリカ人の
既婚女性(付き合いだしたころはいわゆる不倫)と結婚するため、1年も経たずに
王位を退いたことから、弟のジョージ6世の戴冠となりました。
エドワード8世と奔放な人妻との「王冠を賭けた恋」のニュースは、まぁそりゃ、
全世界を駆け巡る訳ですよ。
個人の感想ですが、青年期のエドワード8世、日本人が連想するヨーロッパ人の
美形の典型みたいな、愁いを含んだ端正なお顔立ちです。
「ヨーロッパ屈指のプレイボーイ」と呼ばれていたというのも納得です。
ちなみにお相手のウォリス・シンプソンさんは美貌よりも、機知に富んだ社交性や、
その奔放な生き方でエドワード8世の心を掴んだ方といわれています。
彼女は元々「裕福とは言えない庶民」から、そのキャリア(?)をスタートしていて、
若い頃は「お金持ちと結婚して玉の輿に乗るんだ~っ」と周囲に話していたそうなので、
かなりの目標達成率ですね。
ただ何というか、自分はこのお2人はたぶん、いや絶対お友達になれないタイプです。
彼と彼女からすれば、「あらゆる面で、こっちから願下げ」とおっしゃると思いますけどね(笑)
当時の時代背景と、属していた上流社会の貴族的な思考や教育を思えば無理からぬ
こととも言えますが・・・。
平和な時代の自由な国の庶民に生まれて、ありがたやありがたや。