ぬばたまの夜渡る刻
若かりし頃にお金を貯めて「6月10日」という日に、欲しかった腕時計を買いました。
我ながら単純ですが、毎年6月10日が「時の記念日」だと、
どこかで見聞きしたためでして、数年後のその日に向かってせっせと
貯金したのが懐かしいです。
・・・しかし、肝心の「なにゆえに”時の記念日”か」とは考えませんでした。
いや、お恥ずかしい、スミマセン、スミマセン。
改めまして6月10日の「時の記念日」は、今から1354年前の日本書紀の時代に、
当時の偉い人が、日本で(おそらく)初めて国内に「漏刻(水時計の一種)」を
台に設置したのが由来だそうです。
「漏刻」、画像で見るとなかなかにカッコイイです。
まさに「設置する」という言葉がぴったりです。
その仕組みは、段違いの大きな水槽を水が流れ落ちていき、最下段の水槽に浮いた
矢の目盛りを読むことで正確な時間を読取るものです。
水道水などなかった時代の話しですから、小石などの不純物の混入や、
冬場の凍結対策など、メンテナンスも大変だったでしょうね。
また、太陽光がなくて日時計が機能しない、雨天や夜間の時計として
重宝されていたようですが、甚だ個人的にもイメージとしては「夜」という感じです。
日時計、水時計、砂時計の時代に流れる時間と、電波で送信される現代に
流れる時間は同じの時間のはずですが、昔ほど上手く付き合えているのか。
考える時間も必要な気がします。
(※ちなみに自分が買った腕時計は、落として車にひかれ、無残な姿で今も我が家に鎮座まします)